帰ってきた書記長のひとりごと

昔の名前で再び始めてみようと思います。

(無題)

なんだか最近、ストレス耐性が弱くなったというか、以前なら「そういうこともあるさ」とか「こういう善後策を立てることで良しとしよう」といった感じで発生した問題を”かわす”ことが出来ていたのが、そういう感情/思考の受け流しが出来ずに落ち込んだり憤ったりしてしまうことが増えてきたように思う。(そういった時でも私の場合、他者へ攻撃的に言動を露出させることが出来ないので、結局は全てを自分の内面に溜め込み、ただひたすら一人で打ちひしがれているという有様。)

なんでもかんでもコロナ禍のせいにするのは頭の悪い思考の辿り方かな、とも思うけれど、時期的にはなんとなくリンクしているんですよね。

 

ここに目を通してくださる方は僅少だと思いますが、皆さんはどうですか。最近。

 

 

 

 

他人からすれば些細なことでも。

他人からすれば本当に些細なことで私は鬱のようなモードに入ってしまうことがしばしばあり、今回は買い物の会計時にレジの店員さんに購入品(食料品)を床に落とされてしまったことだった。「取り替えてきます」という店員さんに「お願いします」と応じたものの、同じ品をそこそこの量買っていたので一つくらい無くていいと思い、「やっぱそれ、買わないにします」と言ったのだが、「替えないにします」と受け取られたようで、それではと他の購入品と同じ袋に入れられてしまった。潔癖症の自分にとっては澄んだ水に一滴でも墨汁が落ちればその水はもう墨なのである。その時点で私の頭は真っ白になってしまい、まるで麻痺したかのように何の言葉も紡げなかった。流れのままに全品購入。しかし潔癖なので、床に落とされたものはもうダメなのだ。そして、表現は汚いがクソもミソも一緒になってしまった、購入した全品も即ちダメになってしまったのだ。抗えなかった自責、自分の伝え方がもっと違っていたならばという後悔、折角時間をかけて吟味した買い物がオジャンになってしまったという悲しみ等でもう、”ショック”この4文字で完全に押し潰されてしまった。抗弁も出来ただろうし、店を出てからやはりこれはダメだとまた戻って交換なり返品なりも出来ただろうけれども、自分はこれだけ気になっておきながら”クレーマーだと思われる”、”神経質な(病んでいる)客だと思われる”ことを想像し、そうは思われたくないという気持ちからそのような行動には出られなかった。「どうしてこんなことに」「自分があの時ああしていれば」「だいたい会計処理時にアプリ勧誘の説明など熱心にしているから手元が疎かになったのだ」「決して安くない金額が台無しになった」等々感情が渦巻き、車を運転しながらここ数年発していないレベルの大声をあげた。こんなことでグジグジやっていたらそれこそ病気だ、先が思いやられる、でも如何ともしがたいこの感情、ショックを受け打ちひしがれている自分。購入品全てを消毒用エタノールでぬぐいまくるか、あるいは見るのも辛い、これらを全て捨ててしまうか…(総額は一万円弱である)。

 

帰宅して数時間、自分はまだこの辛い思いの渦の中にいる。”こんなこと”でここまで思い詰める人間もいるのだ、という話です。

 

とても苦しい。

 

 

 

 

 

シベリウス:管弦楽作品集 / ムント指揮、京都市響

ムント&京都市響がアルテノヴァに遺した録音群を手持ちの中から掘り出して聴いています。シベリウス作品集、管楽器群が若干粗めな印象ですが、案外収録曲の"風"に合っている気がします。総じて早めのテンポで進む中に時折ハッとする美しい局面が。バランスが整った秀演だと思います。ムントの実力。

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収録曲も、「4つの伝説」を中心に「フィンランディア」「悲しきワルツ」「カレリア組曲」と、チョイスが王道かつバランスがよくてイイですね。エッセンシャル・オブ・シベリウス

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ブルックナー:交響曲第2番 / 若杉弘指揮、ザールブリュッケン放送響

ブルックナーの2番を若杉弘指揮ザールブリュッケン放送響の演奏で。アルテノヴァ初期の録音です(そういえばこのレーベルって今どうなっているのだろう?)。録音は万全、オケの技量も万全で、そこに若杉さんの淡麗な歌心に彩られた指揮です…氏のジェントルな音楽はこの敬虔な曲に似つかわしいです。

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ブラームス:交響曲第1番 / コンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管

"コンヴィチュニー最後の録音"こと、ゲヴァントハウス管との1962年7月(と当盤にはある)録音のブラ1。このクレジットの通りとすると亡くなる1ヶ月前、とはいえ何か死期を感じさせるような音楽ではない。懐の深さ、歌いまわしの幅の大きさ、オケの暖かく木目質な音色…古き佳き時代の1ページかと。

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シューベルト:ザ・グレート / アルヘンタ指揮、セント・ソリ管

シューベルトの「ザ・グレート」、アルヘンタ指揮、セント・ソリ管弦楽団。この演奏の明るさ、軽さは、"1957年のステレオ録音であること"に拠るところが大きいのではないか。しぶき出るような精気ある演奏(特に第2楽章!)、シューベルトの生涯を思えばこうした特性がこの曲に似つかわしいのかも。

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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版) / ドホナーニ指揮、ウィーン・フィル

ストラヴィンスキーペトルーシュカ」、クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ウィーン・フィル、1977年録音。この後、クリーヴランドでMAD級の"精緻極みist"という本性をあらわすドホナーニが、まだ黒縁眼鏡の奥で眼を光らせている頃。これほどまでにリアルなペトルーシュカの"死"を他に聴かない。

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1977年のウィーン・フィルを相手に、よくここまで…!というくらいに、既にオケを締め上げています。細部に至るまでの徹底したコントロール。本性はもうあらわれていると言っていいのかもしれない。いや、いいでしょう。

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