2020-01-01から1年間の記事一覧
ムント&京都市響がアルテノヴァに遺した録音群を手持ちの中から掘り出して聴いています。シベリウス作品集、管楽器群が若干粗めな印象ですが、案外収録曲の"風"に合っている気がします。総じて早めのテンポで進む中に時折ハッとする美しい局面が。バランスが…
ブルックナーの2番を若杉弘指揮ザールブリュッケン放送響の演奏で。アルテノヴァ初期の録音です(そういえばこのレーベルって今どうなっているのだろう?)。録音は万全、オケの技量も万全で、そこに若杉さんの淡麗な歌心に彩られた指揮です…氏のジェントル…
"コンヴィチュニー最後の録音"こと、ゲヴァントハウス管との1962年7月(と当盤にはある)録音のブラ1。このクレジットの通りとすると亡くなる1ヶ月前、とはいえ何か死期を感じさせるような音楽ではない。懐の深さ、歌いまわしの幅の大きさ、オケの暖かく木目…
シューベルトの「ザ・グレート」、アルヘンタ指揮、セント・ソリ管弦楽団。この演奏の明るさ、軽さは、"1957年のステレオ録音であること"に拠るところが大きいのではないか。しぶき出るような精気ある演奏(特に第2楽章!)、シューベルトの生涯を思えばこう…
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」、クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ウィーン・フィル、1977年録音。この後、クリーヴランドでMAD級の"精緻極みist"という本性をあらわすドホナーニが、まだ黒縁眼鏡の奥で眼を光らせている頃。これほどまでにリアル…
イギリスの作曲家、ジョン・アイアランドのピアノ協奏曲。キャスリン・ストットのピアノ、ハンドリー指揮ロイヤルフィル。1930年の作、英国調の響きの中に展開される愉悦的舞踏然。この世界線が後にブリテンへと繋がっていった気もします。なかなかキャッチ…
なんか違う商標で出ていますが実質NAXOSです。作曲家と同じ時代を生きた、ソ連からすれば衛星国側の名匠が遺した記録としてこの演奏は意義深いと思います。NAXOSの1987年録音なのに音質は意外にも及第点。ブラチスラバの放送響も善戦で、スロヴァキアフィル…
時局柄、シンシナティって何州?と調べてしまったり(オハイオ州でした)。ロペス=コボス、やはり素晴らしいの感、あらためて。じっくり、丁寧。疎か、蔑ろ、一切なく。録音に拠るのかオケの特性か、米オケでとかく思い浮かぶ"ギラつき"とも距離があり、絶妙…
リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」、オリヴェル・フォン・ドホナーニ指揮、イギリス室内管弦楽団の演奏。この曲、実は大好きであります。この作曲家の作品で一番好きかもしれない。編成小さめのオケで見通しよく、かつ、なかなかに練られた表現…
その時間、ラジオを聴ける状況にあったらこの番組を聴いてます、という個人的なタイムテーブルをまとめてみました。 空欄の時間帯も何かしら聴いていることが多いのですが、ザッピングというか番組が定まっていないものはタイムテーブルから外してあります。…
オネゲルの交響曲第2番、ペンデレツキ指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィアによる、1990年の録音。自分は"指揮者ペンデレツキ"をこの盤で初めて知ったのではなかったかしら。最後のトランペットによるカタルシスに至るまでの延々たる弦楽合奏は、このオケの技…
ショスタコーヴィチ、オラトリオ「森の歌」、スヴェトラーノフ指揮、ソ連国立響、1978年のライヴ録音。CDの整理をしていたら出てきた盤で、クレジットにあるバス歌手の名が目に留まったのだった。アレクサンドル・ヴェデルニコフ。先日亡くなった同名の指揮…
なぜかこの盤を買った時のことをよく覚えている。レコ芸の評だかを読んで覚えていたこの盤を店頭で見つけ、試聴機に入っていたのをヘッドホンで聴き、当時シューベルトの交響曲に大して馴染みも無かったのに「これはよい演奏だ!」と感銘を受けて購入したの…
レスピーギのローマ3部作、円光寺雅彦(松)&梅田俊明(泉)&外山雄三(祭)指揮、仙台フィルの演奏。1994年2月19日、第100回定期演奏会のライブ録音。三曲三様でフラットに比較は出来ないが、"祭"の外山さんが意外と熱演。仙台フィルはもっと外への発信があ…
ブラームスのピアノ四重奏曲op.25のシェーンベルク編曲版を、ハンス・ツェンダー指揮ユンゲ・ドイチェ・フィルの演奏で。1979年録音、非常に音が良いです。演奏も素晴らしく、まずこのユースオケの技量の高さ、腕だけでなく表現力にも特筆すべきものがあるこ…
今日(2020年9月29日)で生誕100年というノイマン指揮の音盤を聴きましょう。1972年録音のドヴォルジャーク交響曲第7番&第8番は、ポピュラーなリリースによって知られ&聴かれ尽くされてきた感がありますが。こちら"Blu-spec CD"なる高音質規格にて再発された…
自室でロシアン・ガラ開催中。フランス勢とロシア音楽の親和性ってなんなんでしょうね…その一方でこの盤は、一筋縄でいかないオケ=パリ管と、バトンテクニックの天才=ロジェベンとの一本勝負、という感もあります。この国内盤は、廉価盤だけれども、リマスタ…
ブラームスのハンガリー舞曲集、ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団の録音。1962年録音、音をなかなか生々しく捉えた、時代感を纏いつつも優秀な録音ではないかと。曲によって自分が聴き馴染んだ編曲版とは異なる版を用いている…
ラフマニノフのP協1番&4番を、ハワード・シェリーのピアノ、ブライデン・トムソン指揮スコナショの演奏で。シャンドスらしく、輝かしいデジタルサウンド。紳士的抑制の効いたサポートをバックに闊達なピアノが縦横無尽。素晴らしい録音と素晴らしい演奏は曲…
ウォルトンの交響曲第2番、マーティン・ブラビンス指揮、BBCスコティッシュ響の演奏、1995年1月26日、グラスゴー・シティホールでのライヴ録音。派手さも外連味もない、端正にして実直そのものの演奏だけれども、ウォルトンの音楽はそれで充分に"映える"し、…
いやーやはりこの演奏、大好きですわ…チャイ5、バルビローリ指揮ハレ管。同時期の録音としてあるムラヴィンスキー/レニングラード・フィル、それとは対極にある演奏かと。ゆったりとしたテンポを要所要所で採ることで恰幅と情緒に著しく富んだ表現が現出し…
急遽JOD CLASSICS盤が聴きたくなり(^◇^;)ヤマカズ先生/新星日響によるベルリオーズの幻想を。1990年6月6日、当時東ベルリンのシャウシュピールハウスにおけるライヴ録音。激情よりは繊細さが際立つ演奏。音の耳触りの"角の丸さ"はホールトーンとアナログ録…
高関健指揮、群馬交響楽団でブラームスの1番を。力強い推進力に満ちた演奏。歌うところは歌いますが、あくまでカチッとした枠の中でのカンタービレ。意外?にもなかなか勇猛な展開ですが、あくまでそれら全てが"知"によって統制されているのがさすが高関さん…
ノイホルト指揮、ロイヤル・フランダース・フィルの演奏で、フランクの交響曲を。これもなかなか佳いです。第1&第2楽章の雰囲気,情感は堂に入っているし、終楽章の駆け抜けるスピード感(最後も疾走していく)も個人的には好みです。メジャーレーベルと比べ…
NAXOSがティントナーによる全集に着手するずっと前、レーベル初期にあたる頃、単発で出ていたブルックナーであります。NAXOSの1988年録音ということで音質が懸念されがちなところですが、ベルギー録音は比較的良い部類で、当盤も問題を感じるような音ではあ…
そんなに急いでどこへ行く?と、思わず問いかけたくなるようなゲルト・アルブレヒト指揮、読響の「アルルの女」です。これに限ったことではなく、アルブレヒトの音楽って大抵急いてますよね(^◇^;)。でもこのテンポ感,スピードによる描写でしか、見えてこな…
初期NAXOS、チェン・ピ・シェンのピアノによる、バッハのゴルドベルク。清潔で軽妙なピアノ、テクニックは優秀、聴き飽きのこない…というか、日常に寄り添うバッハ、という感じ。ふっ…と終わる終曲のアリアが特徴的。1985年、フランクフルトの教会での録音で…
ドボ8っつぁんをマリナー指揮ASMIFの録音で。このコンビは当初のバロック近辺からレパートリーを拡大し、作品に合わせて適宜増員しながら近代/後期ロマン派あたりまでは優に射程に入れていた。 ここでは外連とはかけ離れた癖のないオケ特性と解釈とで小ざっ…
OPUSレーベルもスロヴァキア・フィルではなく同じくブラティスラバの"放送響"の録音となるとクオリティが一皮いや二皮くらい剥ける不思議(いったいなんなんだろう?)。日本でもお馴染みのレナルトさん指揮で「展覧会の絵」を。描写力ヨシ、恰幅ヨシ、オケ…
その録音の、音の薄さ、バランスの悪さ、レンジの狭さから、「なぜに貴レーベル殿は!?」といつも残念に思うOPUS音源のブリリアントリリースから、コシュラー/スロヴァキア・フィルによるスメタナ「我が祖国」です。私くらいのOPUS歴になりますと脳内でリ…